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事態が飲み込めない弘人は、一先ず自室に駆け上がる。そして母親に電話をした。
『はい、もしもし。どうしたの?』
「いや、お母さん。何か荷物送った?」
『あらー送ったわよ。彩香からあなた宛に荷物が一昨日届いてね。あなたが今一人暮らししているのをあのこ知らなかったから、そっちに送ったわ』
「えー何それー・・・・・・」
だいぶ軽い様子の母親の声を聞いた弘人は、口から呆れまじりのため息が出た。
「それで? 何を送ったのさ?」
『んーあんまり分からないんだけど』
「何で?!」
『中身を見ないでそちらに送ったからね。割れ物注意? とかそんなシールがあったわ』
「割れ物?」
『あとね、異様に大きかった』
「異様に大きい?」
いよいよもって、彩香が何を送って来たのかわけが分からずに渋い顔になった。
(6年ぶりに送ってきた荷物が意味不明とは・・・・・・非常に怖い)
『あ、あと炊事と洗濯、掃除はしっかりするのよ』
「んー、わかった。ありがとう、お母さん。また何かあったら連絡するね」
そう言って母親との通話を終了し、手元の不在連絡票に目を落とす。いったい何を送って来たのか、考えても一切の答えが出てこない。
(電話するか)
答えが出ない弘人は諦めのため息を漏らし、再配達連絡先の番号に電話をかけた。
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