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ぼくら、スーダーラはいつだって、弱い立場にあった。
バラムーンに目の敵にされ、クシャトルーラにしいたげられバイジャに見下され、同じスーダーラにさえこき使われて。
千三百年以上前から、それは変わらない。
スーダーラとは社会的に一番低い位置にあるもののことだ。
しかし、この世の中でのほんとうの弱さというものは、そういったものではないのかもしれない。
今いちばん、弱い心の持ち主は、目の前にいる。
そう。
かん高い声でひたすらわめきたてているあいつだ。
荒野の国の現大首長アンリ・マンユーは、ちゅうにういているぼくとエメラルド色のひとみの姫さまをあっけらかんと見つめると、くやしげに言うのだった。
「なんだ、そのばかでかいおもちゃの鳥は。
まるでシンドバッドの冒険に出てくるロック鳥か、
伝説の火の鳥。
いや神の使いのガルーダのようではないか。」
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