青く光り輝く神の使い

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 すると心やさしいエメラルドのひとみの姫さまが、ガルーダのその反応を必死に止めようと、首根っこをつかみほのおの向く方向をすんでのところで変えさせた。 青きほのおは人々の群れをねらう代わりに、千三百年前にアソカ王子とアルマティ王女の前に現れたいばらのかきねを模したバラ線のかたまりに向かい一直線に飛んでいく。 その黒民と白民の世界を、いやこのあらゆる生命の世界そのものをまっぷたつに分断するいばらのかきねのオブジェは、 パチパチと激しい火花を四方八方に散らばしたと思うと、最後に黒いけむりになってあとかたもなく消えてしまったのだった。
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