焼き鳥

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足元が怪しい中本くんを支えながら歩く。 汗かきの中本くん。くさくないからまだ良かったが、背中を触ると湿ってきてしまう。 「花ちゃん」 「なに? 中本くん」 「好ーき」 「は?」 体を支えてあげている中本くんが、私の方を見る。 少しして私の方へ顔を近づけてくる。 「ぁ、お願いがーーーあります」 急に立ち止まり、自衛隊みたいに背筋を伸ばして立つと敬礼した。 「なに」 「キスしてもらいたいであります!」 「もらいたいって? なんで私が?」 「もらいたいですぅ!」 大きな声を出す中本くん。 恥ずかしくて、周りを窺い身を縮めた。 「やめてよ。大きな声で。そういうのしたいならさ、そういうところへ行ってくれない?」 「花ちゃんがいいです」 「タダだから?」 「はい! それもあります!」 再度、敬礼する中本くん。 「他に何?」 「好きだからで………あります!」 中本くんの体に張り付いたシャツを見た。透け感が半端じゃない。
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