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インナー
★
本当かどうかもわからない。
私が入社した時から好きだったなんて台詞は、どうしたら言えるんだろう。
散々、だれそれとデートしただの、誕生日プレゼントは何にしようとか相談されてきた。アレは、何だったんだ?
「中本くん、今まで私に散々相談してきたよね? 彼女もいたよね?」
「一度も見てねーじゃん、彼女の顔」
「でも、いつも飲みに行って……女の子の話ばっかりだったよね?」
「花ちゃんと二人で飲みたいから相談とか言ってたんじゃん。全部口実だよ」
「……」
言うべき言葉が見つからない。
掌で押していた中本くんの胸が一層近寄ってきた。それでも、中本くんの胸と私の間に、私は、ずっと掌をおいていた。
「中本くん……私さ」
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