2人が本棚に入れています
本棚に追加
本日二度目の間抜けな声が出た。先輩の衝撃的な発言に頭がついていかない。知ってたって言った?私が色々盗んだり手紙を入れたり…知ってた?
「えっ、えええ…っ!」
「字、下手に書いてもお前って分かるし。タオル返ってきたらお前と同じ匂いするし」
「いや、待って、え…っ、バレ…バレてたんですか!?」
「おー」
比喩じゃなくひっくり返りそうになった。思いもよらない衝撃と、知られていたのに隠している気でいた羞恥と。
「何で言わないんですか!」
「お前が言わないから隠したいのかと。何で怒るんだ?」
「怒ってないですよ!」
「怒ってんじゃねえかあ…」
恥ずかしさで顔が赤くなる。知ってて放置してたなんて。
「先輩、心広すぎますよ…」
「心が広いんじゃなくてお前だから許してたの」
「わ」
どきゅん。絶対に手に入らないと思っていた先輩は、一言で私の心を撃ちぬいた。
「先輩、遅くなっちゃったんですけど、聞いてもらえますか?」
「うん」
「先輩が好きです。合法ストーカーにしてください」
「何その告白、初めて聞いた!」
告白のムードなんて何もなくて、先輩は大爆笑で私を見ていた。よし、記憶に残ってやった。爪あとを残せた事実に心の中でガッツポーズをする。これから誰に告白されても、私ほどのインパクトは残せないだろう。残されても困る。
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!