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駅の近くのカフェで、俺の目の前に座るのは千夏さん。
本屋で出会った、たぶん年上の女の子。
年上なのに女の子と使うのは変化もしれないが、見た目では高3の俺よりも年下に見えてしまう。
「じゃあまずどんな話にしようか!」
「だから、まだ書くかどうか決めてませんってば。俺、もう受験生だし、書ける時間があるかわからないです。」
「どこの大学受けようとしてるの?」
「えーっと、第一志望は錦源大学なんですけど、正直受かるかどうか…そういや千夏さんは大学生なんですか?」
「え、うん。そうだよ。言ってなかったっけ?ちなみに、私も錦源大学だよ。二回生。」
ん?今なんて言ったんだ?ワタシモキンゲンダイガク?
どこの呪文だ。
「え?どこの大学ですか?」
「だから!錦源大学二回生!」
「えぇぇ!!!千夏さんが錦源大学!??ほんとですか!?」
「そうよ、そんなに驚くこともないでしょ?それともなに、私みたいなチビは入れないんじゃないかとかおもったの?」
口を膨らまして拗ねてる姿からは現役大学生には見えない。頑張っても、専門学生だろ。保育の。
そんなこと口にできるわけでもなく、
「いや、そうじゃなくて、近くに先輩になるかもしれない人が居たんだっておもって。そっか千夏さんいるのか…。」
「私が同じ大学なの嫌なの?」
「そんなわけないじゃないですか!すごく嬉しいですよ!わざわざ本屋で待ち合わせしなくても会えるんですよ!?」
そうだ、あんなボロ本屋で待ち合わせなんかしなくたって学校に行けば会えるんだ。小説の交換会が増えそうで楽しみになってきた。
「嬉しいんだ…ならよかった!でも結構勉強したほうがいいよ?意外と落ちてる人いるし。学校の成績はどれぐらいなの?」
「成績は、学年で2番目です。」
「え、2番目?下から?」
「上からです。」
「上から2番目!?なによ!頭いいじゃん!私なんて先生から絶対無理だって言われてたのよ!?」
その成績なら絶対受かるじゃんかと呟いてる千夏さんは、キッと睨んで
「それだったら小説も書けるじゃん。
」
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