あるある

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やばい、やばい、やばい、やばい… もうあと数時間で朝になってしまう。 どうしよう、どうしよう、どうすればいい? どうすれば眠れるの? ホットミルクも飲んだし、羊も数えた。 難しくて数行読んでギブアップした本も読んでみた。 ヒーリング音楽もダウンロードしたし、友達から誕生日に貰って使ってなかったアロマも焚いた。 今日はいつもより早めにベッドにも入って、グッスリたっぷり眠る予定だった。 明日の為に…。明日がすごく楽しみだから。 早く寝て、早く明日にしたかった。 なのに、なのに、全然眠たくならない。 目を閉じて、はい寝たー。 と自己暗示をかけて寝た気になってみてもやっぱり暗示にはかかってない。 すぐに目が覚めてしまう。 どうしよう、どうしよう、本当にどうしよう。 明日…時間的にはもう今日だけど、明日は憧れの先輩との初デート。 映画鑑賞が趣味で好きな映画もだいたい同じという、奇跡的な接点があったから実現した映画デート。 しかも明日観る映画は私が好きな俳優さんと、先輩が好きな女優さんが出てるやつで、デートもだけど映画もすごく楽しみにしていて、たぶん1人でも観に行ってたと思う。 そんな楽しみな映画を憧れの先輩と一緒観れるなんて…。 なにかの間違い…じゃなくて、なんのご褒美かと思うくらい嬉しい。 嬉しすぎて眠れない。 楽しみすぎて眠れない。 でもこのままじゃ、映画観てる時に寝てしまうかも…。 え、やばい、不安になってきた。 やばい、やばい、やばい。 どうしよう、どうしよう、どうしよう。 ブブブブブブ…ブブブブブブ… 枕元に置いておいたスマホのバイブレーションが震えて目が覚めた。 知らない間に眠ってしまっていたみたいだった。 スマホを見たら先輩からの着信が数件あった…。 これは夢、これは夢、これは夢。 まだ昨日、まだ昨日、まだ昨日。 よし、もう一度眠って夢から覚めよう。 ブブブブブブ…ブブブブブブ… 先輩からの着信にスマホのバイブレーションが震えて教える。 そして、私も震える…。
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