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翌日。
アスタロトとアスタロテ、そしてリリトの三人はフランスのベルサイユ宮殿へと向かっていた。
宮殿の最奥で、現フランス王フィリップ6世と、リリトを買い取り王に進言した軍人が3人を迎えた。
「おぉ!!そなたがリリトか」
「お目にかかれて光栄です、国王様」
「話には聞いていたが、誠に美しい……。そちらは?」
フィリップ6世は側に控えていた赤毛の双子を指差した。リリトは恭しく礼を取り、
「こちらが、私の友人のアスタロトとアスタロテにございます」
紹介を受けたアスタロトとアスタロテは柔らかくふわりと微笑み会釈した。
「ではその者たちが……」
「はい、悪魔にございます」
リリトの言葉に一瞬ひっと息を飲んだ国王だったが、すぐに笑みを取り戻した。
「リリトの友人だけに、誠、こちらも美しい……」
アスタロトとアスタロテの美しさに一瞬で骨抜きにされた国王は、三人を応接間に案内したのだった。
リリトたちがフランス王と対面を果たしている時、ヘルとサタンは英国へと向かっていた。
「なーんか割にあわねぇ」
道中、サタンは何度目になるのか分からないぼやきを繰り返していた。
「まぁまぁ、そう言うなって」
ヘルもまた、何度目になるのか分からない慰めを繰り返していた。
ヘルたちが目覚めた時、アスタロトたちの姿はなかった。変わりに置き手紙が。
『サタンとヘルは英国へ向かい、エドワードとコンタクトを取ってください』
2人は有無も言わさず英国行きが決定したのだった。
「確かに英国には行ってみたいとは言ったが、あまりにも早過ぎねぇか?」
「分かったから」
サタンの言葉に苦笑いしか出来ないヘルだ。
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