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【向井 史也】
脱出まであと3日。
各々がこの大間町に別れを告げ、小学校に集まっていく。
車にガソリンを入れ、バッテリーも問題ない。
食料や水分も最低限の薬も充分に確保している。
後は武器の確保だ。
北海道から来た連中は、正直かなりの戦力になる。
猟師に、傭兵なんてまるで漫画や映画の世界じゃなきゃ仲間にならないようなセッティングだ。
こちらには、オレに相棒の和志、弓を使う女子高生。
ゾンビの大群に襲われても、なんとかなりそうだ。
正直、この大間町を離れるのは危険な賭けだ。
人の少ない町ならば、ゾンビの感染もそこまでではないが、大都市となったら別の話。
だが、いつまでもこの大間町にいたところで、自衛隊が助けに来る保証はない。
北海道から逃げてきたあの連中だって、散々な目にあってきたと言っていたからな。
職務を全うするなんて気持ちはないが………
誰かが引っ張っていかないといけないんだ。
それが、ここではたまたまオレだっただけの事だ。
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