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振り返るとそこにシスターの姿はなくなっていた。わずかな気配と思念が伝わってくる。
『…………孫たちを御守りください…………欠片は二人のもとに……』
ーー孫たちとは美那さんと誠のことですね……わかりました……
周囲の景色がぼやけ白い空間に戻っていく。眠りの世界から意識が乖離しはじめているようだ。仁の思考は途切れ離脱した。
『…………介入者…………』
さらに下に降りていくための階段の入口に形容しがたい気配が現れた。もぞもぞと蠢くそれは眼に怒りの色を浮かべまた階下へと引き返していった。
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