おわり

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おわり

その後、彼の部屋から家族宛の手紙が出てきたのだという。そこには謝る内容ばかりで、なぜ自分から命を絶ったのかは書いていなかったという。 疲れ切ってたのだろう 楽になりたかったのかな… 告白しとけば良かったな… 後悔が沢山ある。 毎日かけた電話にはいつも辛く苦しかった日常なんて嘘みたいに彼は楽しそうだった。 彼のついた嘘は優しい嘘だ。 私にどうせ心配させたくなかったのだろう けれど、自殺してまで突き通したそれは とてもとても 悲しい嘘だった。 弱音をもっと吐き出して欲しかった。 ぶつけて欲しかった。 彼の気持ちが楽になるなら… 彼のいないこの世で私は誰を愛して12時に電話をすれば良いのだろう。 好きだったのに すきですきで とても好きです 今でも好きなのに どうしようもなく好きで 苦しくて、苦しくて どうすればいいのか分からない。 12時に繋がらない電話がもう彼がここにいないことを示していて。現実を知るのが嫌で そのたびに思い知らされるのに 苦しいのに また今日もかけてしまう。 電話に出てくれるんじゃないかと思って。
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