第2章

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ブリアンて四男だったよね? お兄さん達を産んだ人はどうしてるんだろう? 「1人目の妻は2人産んだらじゅうぶんでしょう、と実家に帰って暮らしています。2人目の妻は屋敷に工房を建てて刀鍛冶を続けています。そして母はひたすらのんびりしています。」 「刀鍛冶!?かっこいい?…今度、見に行って良いかな?」 「ゴビネット様は気に入られれば優しくしてくれますが、嫌いな者には容赦がないので…会ってみないと分かりませんね。」 「そっかぁ。気に入られたいなぁ。」 「ちなみに上の2人の兄はきちんと領地経営してますが3番目の兄は冒険者です。母の作った武器を勝手に持ち出してはケンカしています。その下に姉がいて母に弟子入りしています。」 3番目のお兄さん自由人! それにお姉さんもいるの!? 「会いに行きますか?」 「会いたいです!!」 ぼくは一も二もなく同意した。 今日の話はお母様の告白とブリアンの領地の話、そして縁を切らないと言う事だったのでお話終了。ご挨拶して2番目のお母様に会いに行く事になった。 どんな人かなー? 「ゴビネット様、ブリアンです。お邪魔してもよろしいでしょうか?」 「邪魔するなら帰れ。」 「今日は私の伴侶を紹介いたしたくお伺いしましたが、お会いしては下さいませんか?」 「ブリアンの伴侶?よし、見てやろう!」 声をかけてからそれ程経たずに返事があった。そして会ってやろうじゃなくて見てやろうなんだ。うー…、緊張する…!! 声だけが聞こえていた建物の扉が開き、燃えるような赤毛で背の高い、筋肉モリモリのカッコいい人が姿を現した。 「カッ…コいい~…あっ!はじめまして!召喚術士で薬師のスイです!」 じろじろ見られて緊張する!! でもカッコよくてついつい見惚れてしまう。 「とぼけた顔だな。」 「愛らしいでしょう?これでたくさんの召喚獣をまとめて召喚できるほどの魔力を持っているんです。」 「ならば手伝え。魔力を入れて欲しい魔石があるんだ。」 「はっ、はい!」 中に招かれ、革袋に入ってテーブルに置かれた魔石を見ると、かなり大きかった。ぼくの拳くらいある。 暗い色になってしまっていてほとんど魔力は残っていないようだ。椅子に座って魔石を両手で包み込み、胸に押し当てて呼吸を整えると、少しずつ魔力が流れ込んで光を取り戻していった。
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