第2章

14/25
前へ
/85ページ
次へ
「今夜は家に帰ります!」 《スイの家じゃないのか?》 「ケルピーなの?」 《そうだ。》 「うわぁ!人の姿になったの初めて見た!!」 精悍な顔立ちでがっしりとしていて、髪は馬の姿のときと同じ青銀の長い髪。そして立派すぎる屹立…。 「裸なんだ…」 《服など不要だ。》 「その姿で出歩かないで下さいね。他人の目があるときは馬の姿に戻って下さいね。」 《こいつからも他人のいる所で人の姿になるなと言われたが、それがヒトの決め事か。》 「そうだよ。あと大ちゃんはちゃんと服着てるよ?」 《知らん。我らはそれぞれ気に入ったからスイの呼び出しに応じていたのだ。ニンゲンの言う仲間意識や上下関係など存在しない。》 「もしかしてりんちゃんも人の姿になれる?」 《本人に聞いてみろ。》 ケルピー素っ気ないなぁ。まぁいいや。 「じゃぁぼく達は帰るね。またねー!」 「は、はい、お気をつけて。」 「コナン、明日は領地へ行くからほどほどにな。」 「ももももちろんです!」 コナンさんよりケルピーの問題だと思うけど、言っても仕方ないのかな? ぼくたちはりんちゃんに乗せてもらって家に帰った。 「りんちゃん、ありがとう。ねぇ、りんちゃんも人型になれるの?」 こくりと頷き、ふわりとした光を纏ってりんちゃんが人型になった。褐色の肌に金髪金目の小柄な少年。 《スイ、好き。やっと言える。》 「りんちゃんがぼくを好きな事なら知ってたよ?」 《ボクたちは人型を望まれなければその姿をとることはできない。ぼくはスイが好きだから何でもしてあげたい。その代わり、スイをちょうだい?》 「スイは渡しません!」 《ワームはもらったのに、ボクにはくれないの?スイの精が欲しいよぅ。》 「それって、りんちゃんもぼくとエッチな事したいって事?」 《時々見てたけど、人間同士だとスイの精を捨ててしまうでしょう?そんな事しないで、ボクにちょうだい。》 えーと、つまり。 ぼくは入れてもらう方で、ぼくのはたまに飲まれているくらいで捨てているから、それが欲しいと。 「それなら構いません。りんちゃんにはこれからも頼る事になりますし、りんちゃんの力が上がるなら歓迎します。」 「恥ずかしいけど…い、いいよ?」 でも今夜は魔力不足ぎみだから美味しくないかも知れないなー、って思ったんだけど。杞憂でした。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

574人が本棚に入れています
本棚に追加