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「今夜は家に帰ります!」
《スイの家じゃないのか?》
「ケルピーなの?」
《そうだ。》
「うわぁ!人の姿になったの初めて見た!!」
精悍な顔立ちでがっしりとしていて、髪は馬の姿のときと同じ青銀の長い髪。そして立派すぎる屹立…。
「裸なんだ…」
《服など不要だ。》
「その姿で出歩かないで下さいね。他人の目があるときは馬の姿に戻って下さいね。」
《こいつからも他人のいる所で人の姿になるなと言われたが、それがヒトの決め事か。》
「そうだよ。あと大ちゃんはちゃんと服着てるよ?」
《知らん。我らはそれぞれ気に入ったからスイの呼び出しに応じていたのだ。ニンゲンの言う仲間意識や上下関係など存在しない。》
「もしかしてりんちゃんも人の姿になれる?」
《本人に聞いてみろ。》
ケルピー素っ気ないなぁ。まぁいいや。
「じゃぁぼく達は帰るね。またねー!」
「は、はい、お気をつけて。」
「コナン、明日は領地へ行くからほどほどにな。」
「ももももちろんです!」
コナンさんよりケルピーの問題だと思うけど、言っても仕方ないのかな?
ぼくたちはりんちゃんに乗せてもらって家に帰った。
「りんちゃん、ありがとう。ねぇ、りんちゃんも人型になれるの?」
こくりと頷き、ふわりとした光を纏ってりんちゃんが人型になった。褐色の肌に金髪金目の小柄な少年。
《スイ、好き。やっと言える。》
「りんちゃんがぼくを好きな事なら知ってたよ?」
《ボクたちは人型を望まれなければその姿をとることはできない。ぼくはスイが好きだから何でもしてあげたい。その代わり、スイをちょうだい?》
「スイは渡しません!」
《ワームはもらったのに、ボクにはくれないの?スイの精が欲しいよぅ。》
「それって、りんちゃんもぼくとエッチな事したいって事?」
《時々見てたけど、人間同士だとスイの精を捨ててしまうでしょう?そんな事しないで、ボクにちょうだい。》
えーと、つまり。
ぼくは入れてもらう方で、ぼくのはたまに飲まれているくらいで捨てているから、それが欲しいと。
「それなら構いません。りんちゃんにはこれからも頼る事になりますし、りんちゃんの力が上がるなら歓迎します。」
「恥ずかしいけど…い、いいよ?」
でも今夜は魔力不足ぎみだから美味しくないかも知れないなー、って思ったんだけど。杞憂でした。
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