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第2章
ブリアンのお父さん…お父上?お父様?に挨拶に行く事になって、着ていく服がない事に気づいた。慌てるぼくにブリアンが全部用意してくれると言うので、ちゃっかり甘える事にした。
そのかわり、これから必要になるポーションや解毒薬や食事は全部ぼくが用意する約束をした。結婚するんだから気にしなくて良いって言われたけど、できる事はしたい。
行った事のない高級なお店で仕立ててもらう事になった服は仮縫いに3日ほどかかると言う。で、そこから更に3日で完成。意外と早くできる物なんだー、と思ったらブリアンの位が高いから優先的に作ってもらえるんだって。
…家を出るって言ってるんだけど、良いのかな?
その辺はぼくがどうこう言える訳でもないので素直に甘える事にした。
「あのぅ…仮装みたいじゃないですか?」
「似合ってる!素敵だ…。」
いかにもお貴族様然とした服は身体にフィットしているのに動きやすい。これが仕立てが良い、って事なのか。ごはんこぼしたらどうしよう!?
コナンさんが色々お世話焼いてくれて、ぼくの髪の毛がつやつやになった。挨拶の仕方も教えてくれた。
「父上、私の妻になる方をお連れしました。」
「はじ…「ブリアン、隣国に嫁ぐのは3日後だ。」
挨拶する間もなくとんでもないことを言われたーーーー!!
どう言う事?
「初耳です。」
「今朝決まったんだ。」
「お断りします。」
「問答無用。」
ブリアンの家族を悪く言いたくないんだけど、この人、むちゃくちゃだよ!
「初めまして!ブリアン様とはぼくが結婚します!」
ちゃんとした挨拶なんてしてやらない!!
ぼくは今までにない程怒っていた。
「ふん、なんだこの地味な子供は。」
「ぼくはスイと言います!地味なのはその通りですが子供じゃありません!ブリアンはぼくと結婚するんです!」
「何ができる?」
「父上…損得勘定ばかりがこの世の理ではありませんよ。」
つまり、ぼくを売り込めば良いんだな。
「僕の家には温泉が湧いています!」
「ふん!」
「薬草を育てるのが得意です!」
「…ふん。」
「ハイレアポーションも作れます!」
「む…」
「召喚獣もたくさんお友達です!」
「…ほう?なにが召喚できるのだ?」
「えぇと…」
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