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ジオの日常
目を覚ますと、部屋はすでに薄明るくなっていた。
起き上がってカーテンを開けると、遠く空が白んでいて、ところどころ、わずかに灰色の雲が散りばめられている。良い天気だ。
顔を洗って簡単に身支度を整えると、青年は籠を背負って外に出た。
何事にも体力は必要だ。幼いころからの習慣は、成長と共に距離を伸ばしながら残っていた。
家を焼かれ、母を亡くした少年は、年月を重ねて立派な青年へと成長していた。
伯母は、彼が生きていくために薬の知識を授けた。それから、日々の生活に必要な細々とした知恵と、衣食住を彼に与えた。
毎朝夜明け前に起きて走るようにというのも、初めは伯母の言いつけだった。
薬草を取りに行くにはそれなりに根気と体力が必要で、大人である伯母についていくには、彼には体力がなさ過ぎた。
そのおかげで、今では彼は人並み以上に体力のある体になることができた。一人でたくさんの薬草を摘みに行き、重たい籠を背負うことも苦ではない。
彼が薬師として一人前になるころには、伯母が自分にしてくれたことが生きていくうえでどれだけ重要なことか、十分に理解できる歳になっていた。
今は独立してかつての森に小さな家を建て、作った薬や薬草を伯母の家に卸して生活していた。
十日に一度、走るついでに籠にそれらを詰めて、伯母のところまで届けている。
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