ジオの日常

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「そうだね。胃腸薬と、それから傷用の軟膏。薬草は取れたもので良い。強いて言えば鎮痛作用のあるもの」 「わかりました」 「よろしく頼むよ。これ、今日の分だ」  今日の分だ、と渡してくれるお金がいつも少し多いな、とジオは思っている。  ずっと前、独り立ちしてから初めてここに来た時に、すでにジオはそのことを伯母に指摘していた。その時、伯母はそれが相場だよ、と教えてくれた。  「今までは此処で暮らしていたけど、これからは食料や消耗品も、全部自分で賄っていくんだ。独り立ちしたんだから、今までもらっていた生活費も、もういらないからね」  そう言う伯母に、ジオはまともに働けなかった時の恩がまだ返せていないと言ったけれど、そんなものは逆算してもうとっくに貰っている、と一蹴されてしまった。  「私が薬を売るのを、今まで見てきただろう? 一度も聞かないからまさかとは思っていたけど、お前、自分がもらう賃金が安すぎると思ったことはないのかい?」  伯母は呆れた顔でそう聞いてきて、ジオは何の疑問も持たずに頷いて見せた。  伯母がいなければジオはどうなっていたかわからない。拾って生かしてくれたのだから、知識をくれた上にお金まで、くらいに思っていたのだ。     
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