*二十九* 帰還

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「魔法陣は、時間と共に薄れていくものなんだ。一度きりの使い捨てならそれでいいんだが、ラーウスは本気でここと城との行き来を考えているみたいだからな。……止めても無駄だから、止めないが、行く前には俺に連絡を入れろよ、ラーウス」  ラーウスさまは呪文を唱えながら、ルークスさまの言葉に小さくうなずいた。  ラーウスさまは保存魔法も唱え終わったのか、大きく息を吐いた。 「さて、これで帰ろう」  ラーウスさまはわたしとルークスさまに魔法陣の中に入るように言い、わたしたちが入ったのを確認すると、呪文を唱え始めた。
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