1258人が本棚に入れています
本棚に追加
「ルベル、おはよう」
少し寝ぼけ眼のラーウスさまを見て、きゅんっと胸が騒いだ。
こんなに油断した姿を見せてくれるということは、それだけわたしに対して心を許してくれている、ということだと思うと、ラーウスさまに対して、さらに愛しさが増すのだから、不思議だ。
「それにしても、ルベルはいつも朝が早いね」
「早くはないですよ。わたしも今、目が覚めたところですから」
「それでも、起こされてもないのに、自然に目が覚めているではないか」
少し恨みがましそうに言われたけれど、自然と目が覚めるのだから、仕方がないのではないでしょうか。
「ご飯を食べたら、ニックスの花の様子を見に行こうか」
「はい、そうですね」
昨日の夜、すべての花を摘まなかったため、残したニックスの花がどのような状態になっているのか、確認しておかなければならない。
ラーウスさまはわたしの頬におはようのキスをすると起き上がり、着替え始めた。
毎朝のこととはいえ、わたしは未だにそれに慣れない。
最初のコメントを投稿しよう!