*十五* 小屋ができることになりました

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 赤い顔をしながらベッドから降りて、隣の部屋に行き、畑作業がしやすい服に着替えた。そういえば、ここのところ、騎士服に袖を通していないような気がする。それだけこの国が平和だという証拠なのだろう。  わたしたちは、それぞれの部屋で朝食を済ませて、執務室へと向かった。  ラーウスさまはすでに机に着いていて、なにやら調べ物をしていた。  わたしが入って来たのを視界の端で確認すると、椅子から立ち上がった。 「それでは、行くか」 「はい」  薬草園に行くには、執務室のベランダに一度出て、そこから庭に降りて行く。 「ベランダに小さな小屋を建てようと思っているんだ」 「小屋……ですか?」 「あぁ。執務室で薬草を乾燥させるにも、スペースがそろそろ足りないだろう」 「そうですね」  今の執務室の半分は、薬草を乾燥させるために埋まっている状態だ。四分の一のスペースにはラーウスさまの蔵書と書類、残り四分の一が執務スペースとかなり狭い。 「幸いなことに、ベランダは無駄に広いから、ここを小屋にしても問題ないだろう」 「……問題ないというより、見た目の問題で……」  せっかくのベランダに小屋を置くと、執務室に入ってくる光も遮られるし、そしてなによりも、そんなものがあるのは景観的にどうなんだろうか。 「それなら、問題ないよ。ベランダに合った小屋の外観を考えているし、そしてなにより、すでに陛下の許可は取ってある」     
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