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うん、相変わらずやることは早いですね。
「小屋は今日から作業に入って、三日後には完成予定になっている」
「三日後……ですか?」
そんなに早くできるものなのだろうか。それに、三日後ってちょうど、ウィケウスの花が咲く頃ではないだろうか。
「ウィケウスの花を乾燥させる場所がないだろう?」
「はい」
「そこを使えばいいよ」
まさかそこまで考えてくださっているとは思わず、驚きのあまり、足を止めた。
「ルベル?」
「ラーウスさま……その、すごく、すごく嬉しいです!」
あまりの嬉しさに、ラーウスさまに思わず抱きついてしまった。
「ありがとうございます!」
嬉しすぎて、無意識のうちにこんな行動に出てしまったのだけれど、ラーウスさまから甘い香りが漂ってきたことで、ハッと気がつき、慌てて身体を離そうとしたら、ぐっと腰を引きつけられた。
「まさかルベルから抱きついてくれるとは思わなかったよ」
「す、すみません! あまりにも嬉しくて、つい。失礼しました!」
「いや、私もルベルがこんなに喜んでくれるとは思わなくて、すごく嬉しいよ」
ラーウスさまはわたしの身体をギュッと抱きしめると、額にキスをしてきた。
「あぁ、ルベル。すごくかわいい」
「っ!」
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