*十五* 小屋ができることになりました

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「仕事でなければ、このままベッドに持ち帰りたい」 「ラッ、ラーウスさまっ!」 「ほんと、かわいいなぁ。かわいくて、手放したくないよ」  ラーウスさまはことあるごとにわたしのことを“かわいい”とおっしゃるけれど、そんなにかわいいと思うような行動を取っているとは思えない。 「ルベル、私は本当に幸せ者だよ。好きな人が常に側にいて、一緒に仕事ができる。私は今、本当に幸せだよ」  そう言って笑ったラーウスさまの笑顔に、わたしは思わず、見とれてしまった。  本当に幸せそうに笑っていて、わたしもつられて、笑みを浮かべた。 「わたしも、幸せ過ぎて怖いくらいです」 「怖くはないよ、ルベル。なにも心配しなくていい」  ラーウスさまはもう一度、わたしの額にキスをすると、するりと腰から手を離し、手を握ってきた。 「さて、様子を見に行こうか」 「はい」  わたしたちは手を繋いで、並んでニックスの花の元へと行った。  ニックスの花は、太陽の光の下では、しんなりとしぼんでいた。昨日の幻想的なまでも美しい花弁を知っているだけに、ちょっと淋しい気分になったけれど、それでも、ニックスの花は、しぼんでいても美しかった。 「このまま置いておけば、問題なく種になりそうだね」     
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