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「そうですね。毎日、確認しますね」
「あぁ、そうしてくれると助かる。種になったら、葉と茎に気をつけて、種を回収して」
「はい」
「種を回収したら、葉と茎も抜くけれど、それはわたしがやるから」
「はい、かしこまりました」
ニックスの葉と茎には毒が含まれているから、扱いを慎重にしなければならない。とはいえ、きちんと扱えば、そんなに恐ろしいものではないのだ。それに、少量であれば、薬になる。そのため、ラーウスさまは少しだけ残して、後は処分をされているようだ。
「それでは、ルベル。いつものように、薬草園の手入れを頼んだよ」
ラーウスさまは名残惜しそうに、繋いでいた手を離し、それだけ告げると執務室に戻っていった。
ここから執務室の中をのぞくことは難しいけれど、執務室の中からは外がよく見える。
早いところ作業を済ませて、執務室に戻ろうと心に決めて、わたしは薬草たちに水をあげるためにバケツとひしゃくを準備した。
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