*十六* もっと笑ってよ

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 そう言って、ラーウスさまはわたしの頬を手の甲でするりと撫でてきた。思わず、身を竦めてしまう。 「ルベルが幸せそうに笑っているのが、私の幸せなんだよ」 「ラーウスさま……」  ラーウスさまはわたしの結んだ髪の毛を一房ほど手に取ると、毛先にキスをした。 「ルベルのことが、愛しくて仕方がないんだ」  今、お仕事中ですよ、と言いたかったけれど、ラーウスさまから漂ってくる甘い匂いにやられたわたしは、なにも言えなかった。  それにしても、ラーウスさま、なんで急にこんなに甘くなってしまったのでしょうか。  恥ずかしいから、勤務中は控えていただきたいです!
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