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だが、流石は神に愛されしチート能力者。
傷ができたそばから治り、瞬時に回復してしまう。
多少の出血はあるもののダメージは皆無。
そのせいで、ステラには毎日のように滅多刺しにされてしまう。
いくら切り刻んでも壊れるどころか修復される体は、彼女のお気に入りなのだ。
「たまんねぇ、お前の血はあったけぇよぉおお」
「今日も元気そうだね」
「アァァアアッ! ほんとに死なねぇ、何度ブッ刺しても死なねぇ!!」
「楽しんで貰えて何よりだよ」
気の済むまで刺し続けると、彼女は外へ出掛けていった。
もちろん奇声を発しながら。
そしてダイア。
今日は珍しく、外で日光浴をしていた。
普段は面倒がって寝室から出ないこともザラなのだが。
「やぁダイア。気持ち良さそうだね」
「ブモーモッモッ」
「へぇ、そうなんだ。うんうん」
「ブモモモ。ブーモ。ブモッ」
「本当かい? そりゃ驚いた!」
「ブブブゥブ、ブモモ!」
「ハァ……。何言ってるか全然わかんねぇや」
微笑ましい4人での暮らし。
大筋では変化する事なく、同じような日々ばかりが過ぎていく。
異様なまでに安定した世界であった。
だがそれもある日、大きな変化を迎えた。
それは地響きとともに始まる。
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