カメラを回すな!

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カメラを回すな!

「ここは……どこだ?」 意識を取り戻したミホの弟は辺りを見渡しながら、状況を確認しようと努めた。 (確か姉貴に呼び出されて、話をしようとした時、身体に衝撃が走ってそのまま……) 二十畳程の広さがある四角い部屋。 その中心にあるベッドらしきものの上で仰向けにされている。 天井につるされたピンクカラーのシャンデリアが空間全体を淡く照らし、どこからか甘いアロマが薫っていた。 どことなく淫靡な雰囲気が漂う場所。 (ラブホテル?) ベッドとシャンデリア以外にそれらしい設備は見当たらないが…… 「あれ、動けない」 両手足の自由がきかない。 と、自分が全裸で大の字になっている事に気付く。 真利奈にラブホテルへ連れ込まれたときと同じ状態だが、拘束具はない。 見えない力で手首、足首を押さえられている感覚があった。 「起きた?」 聞き覚えのある声に顔を横に向けると、姉のミホが傍に立っていた。 「姉貴……?」 仄暗い桃色の顔で見下ろしていた。 その姿を確認した弟は思わず息を呑む。 ミホは上下に黒い下着を纏っていた。 但し、上は乳房が丸出しのオープンブラ、下は陰部を剥き出しにしたTバックの組み合わせで、全裸に近い姿をしているのだった。 「どう? 似合うかしら」 豊満なバストと丸く張りのあるヒップが強く主張して、立っているだけなのに全身から色香のあるオーラが滲み出ている。 ミホも自分の姿に自信あり気に艶っぽい微笑みを弟に向けていた。 「宜しい、ちゃんと反応してるわね」 弟の下半身の一部が充血しているのを見たミホは嬉しそうに呟く。 「でも、私が見せられた動画と比べたらまだまだ」 ミホはベッドの上に昇ると。弟の身体を跨いだ。 「さあ、どうして欲しい?」 「どうしてって……先ずは今の状況を説明してくれないか?」 「状況? 見れば分るじゃない。これから私達は一つになるの。私は処女を奪われて、貴方の女になる。そして貴方は私の男になるのよ」
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