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第二章 我が家の猫
コウタは走り寄ってきて、ひょいと私を抱き上げてくれました。どこもなんとも無さそうです。
「探したぞー、深雪。あ、母さん。深雪捕まえた」
母もこちらへ走り寄ってくるのが見えました。
「良かった。全然見つからないからどうしたかと思ったわ」
「まったくさあ、母さんもちゃんとドア閉めるようにしてよ?」
「またうっかりしちゃって。ちょっと汚れてるけど怪我もないみたいね」
「うん。まったく、どうしていつもいつも脱走するかなー、深雪」
それはあんたが帰ってこないからでしょう!私の猫ちゃん。
「ふにゃあ!」
コウタも母も笑っています。
「幸太が帰って来ないから探しに行くんじゃないの?深雪はあんたが生まれた頃から保護者やってるからね。今日だってにゃあにゃあ何かを一生懸命訴えてたわよ」
「そうなのかー?深雪。よしよしごめんな。もう帰ろうな」
湯たんぽの幸太がちゃあんと帰ってきました。こんな風に嬉しいときは私の喉からごろごろと声が出ます。
我が家の騒動を読んでくださった皆様、誠に有難うございました。お帰り幸太。今日はこれでおしまい。
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