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「うわぁっっ」 二、三度、交互に見た後、頼人は飛び上がった。 この光景を見た教室内には、もちろん、笑いが起こった。 頼人は、しばらく自分の置かれた状況を把握できないでいたが、前と隣でにこにこと笑う二人の同じ顔を見て、ようやく悟った。 「なんだ、弥沙と弥沙のねえちゃんか」 頼人は胸をなでおろして座り直した。 しかし、自分の言葉に、少し違和感を持った。 ・・・今、自分はなんと言った? そうしてもう一度、隣を確認した。 「み、み、美弥子、さん?」 「おはよう?」 にこにこと笑う美弥子に 「お、おはよう?って、えぇぇぇ」 頼人の叫び声が響いた。
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