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「まったく今日の頼人はおもしろかったよな」 優真が笑えば 「本当、サイコーだったよ」 弥沙も笑う。 「穴があったら入りたい・・・」 頼人はしゅん、と音が鳴るようにうなだれている帰り道。 一方、前方を歩く女子二人は、早くも打ち解けた様子だ。 「いつもこの三人といるの?」 「そう。他の子と行動しようもんなら、どっかの誰かさんが、金魚のフンのようについてくるの。しかも、更なるフンを連れて、邪魔するのよ。もう、むさくるしいったら」 むくれながら言う弘子に、美弥子は笑う。 「ふふふ。だから、かな。弥沙が打ち解けているのは」 「なんで?」 「弥沙も、小さい頃から、私の後ろによく隠れていたわ。人見知りは激しいし、無表情で愛想ないし。おまけに、他の子と話そうとすると、不機嫌になるから、みんな、逃げちゃうのよ」 「なるほど、類は友を呼ぶ、のか」 「そうね」 ふふふ、と笑う二人。 後ろとの距離は少し離れているので、会話が聞こえるわけはないのだが。
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