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「俺のこと話して微笑んでいるぞ。マイハニー弘子ぉ、愛しているよぉ」 後ろから優真が大声で叫ぶ。 「ちょっと、名前だして叫ばないでよ、恥ずかしい」 意味も無い告白に弘子が大声で怒鳴る。 「弘子ぉ!」 「うるさい!」 優真は後ろから走ってきて弘子に抱きつこうとしたが、弘子の投げた鞄が見事に顔にヒット。 「ううう。これも、愛情、表現だ」 顔で鞄を受け止めた優真は、それでも幸せそうに笑っている。 「バカ優真」 「頼人ぉ、弘子が俺にバカっていった!バカって!!」 「大丈夫だ。優真はそれ以上馬鹿にはならん。だからといって、今度の期末テスト、赤点だけは取るなよ」 「・・・うぅ」 頼人の言葉がとどめをさしたらしい。 がっくりとうなだれて立ち止まる優真の肩を、弥沙がポンポンっと叩いた。 「テストだけがすべてじゃないよ、優真」 「やっぱり弥沙だ!弥沙が一番の親友だ!」 抱きついて離れない優真に、弥沙は苦笑いをして、頼人の方に助けを求める。 頼人は、立ち止まっている弥沙と優真の元へ戻ると 「優真、ほら、帰るぞ」 ベリッと弥沙から優真を離し、優真と肩をくんだ。 「おぉ!迎えに来てくれた頼人も一番の親友だ!俺達の友情は永遠だ!」 などと、今度はわけのわからぬ大声を出して、優真は右に頼人、左に弥沙と肩を組んで歩き出した。 引っ張られた頼人と弥沙は顔を見合わせて苦笑すると、「そうだ、永遠だ」と歌う優真に付き合って歌いながら歩きだした。 「ちょっと、いい加減にしてよね。高校生にもなって、恥ずかしいじゃない!」 美弥子の隣で弘子が顔を振り返って叫ぶが、男子たちは気にしない。 四人にとっては、いつもの光景、いつものやりとり。 美弥子は驚きつつも、弥沙の笑顔に嬉しくて、笑っていた。
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