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「あっ、勇気」 いかにも、人気者の優等生的な男の子の登場に、周りを囲んでいた男の子たちが一斉に暴力をやめてその男の子の方を迎えに行く。 「だって、こいつ、ムカつくじゃん」 「そうだよ。勇気がいるのに、クラス委員長になるなんて」 「しかも、あの、美代ちゃんとなんだぞ」 美代ちゃん、という言葉を聞いて、勇気と呼ばれた男の子の表情が曇った。 「何考えているかわかんない奴が学級委員なんて俺嫌だねー」 「いっつも絵ばっかり描いてるような、根暗な奴」 「そうだそうだ、こんな普通じゃない奴、勇気と一緒にいるだけでもおかしいのに、美代ちゃんの隣りには似合わないんだよー」 そう言いながら、男の子の方へとまた行き、ランドセルを掴んでひっぱったり押したりした。 「普通じゃないって・・・」 頼人が隣りの弥沙を見て心配する。 弥沙の顔は青白く、その表情は冷たかった。
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