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「止めなきゃっ」
頼人が出て行こうとしたら、美弥子に服をつかまれ、制止された。
「だめ、確認しなきゃいけないわ」
「確認、って何をだよ?」
よってたかって、一人の男の子をいじめるなんて
それを見ているだけなんて、自分には出来ない。
頼人は、自分を掴んでいる美弥子の腕を振り払った。
そして、彼らの元に走ろうとしたそのとき
「・・・めろ、やめろ!やめろ!」
大声に驚いて、頼人は男の子たちに目を向けた。
その声は、真ん中の男の子から発せられていた。
「まさか・・・」
あの子が能力者、なのか?
だとすれば、どうすればいいんだ?
もし、能力が暴走したら、もし、鬼化してしまったら・・・
あの子が消されてしまう。
「み、弥沙、あの子が能力者なんだろ?だったら早く止めなきゃ。どうしたらいいんだ?」
すると、ずっと黙っていた弥沙が口を開いた。
「あの子じゃない」
「え?」
あの子じゃない?
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