幼馴染を送り込もうと思ったら巻き込まれた

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ドスドスという足音がすぐ近くまできている! 「やばいやばいやばい!!」 「短い人生だった……」 やばいを連呼する私に対して惠は諦めていた。 だったら象の群れに差し出そうかと考えていたとき、門が勢いよく上に開いた。 「「……えっ?」」 いや えっ? ってなるだろ!? ゆっくり開くならわかる! でもガンッって感じで開くんだぞ!? どういう作りしてんのこれ? もしかして機械とかあるのかな。 門が開いて中の様子が見えた。 やっぱり村みたいになってて、男ばかりが槍とか剣とか弓とか構えてた。 やはり異世界と思わせたのが、ゲームに出てきそうな杖を持ってる人がいたとき。 杖持ちは一人しかいなかったが、これがまた異世界定番というかファンタジー定番というか……。 「絶世の美女っているんだなー」 「恵ちゃん、ここ異世界だから。あんなんしか出てこないから」 「なるほど」 見目麗しい女性が杖もって男衆の中心に立っていましたとさ。 私も恵も珍しいもんを見たとばかりにジロジロと眺める。 そんな私たちに、口元に笑みを浮かべながら視線を送る。 「なんぞ騒がしいと思えば、珍しいのが二匹も迷い込んだか。しかもゾオウの群れを引き連れておる」 「すげー、現代にあんな喋り方する奴いないぞ」 「恵ちゃん、ここ異世界だから」 「なるほど」 色白で白い髪の毛でお色気全開。 胸とか足とか腰とか露出しすぎ。 服の意味あんのかなあれ。 「お主等、なぜここにゾオウの群れを連れてきた?返答次第では生きて帰すことが出来んのう」 「引き連れてきたんじゃなくて追いかけられてたんだよ。逃げてたらここに辿り着いただけ」 そう答える私と隣に立つ間抜け面を見定めているかのような視線を向ける。 そしてスッと杖を上げると、後ろの男衆が武器を構えて向かってきた! 「「えぇぇぇぇぇ!?」」 本当に事を言ったのに!!
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