現実はこんなもの

10/12
前へ
/28ページ
次へ
 会議は終わった。 ダラダラとした空気の中で、私は「お先に失礼します」と生徒会室を出た。 時計を見れば5時半だ。 うん、なんとか間に合うーー。 「セーンパイ!」 「わぁ!」  いきなり後ろから声を掛けられて、驚かない人は居ないだろう。 そんな私に対して、秋月くんはくすくす笑った。 「そんな驚かなくても」 「お、驚きます!」 「そっか。じゃ、送りますね?」 「は? な、なんで!?」 「ん? もう暗いし」  その声に外を見るけれど、また夕焼け小焼けといった感じだ。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加