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「間宮セーンパイ、今日もかわいいねぇ」
そんな声に私は振り返って、ムッとする。
「秋月君、君も生徒会なら会議をさぼらないで!」
そういうと、彼は肩をすくめてぺろりと赤い舌を出した。
「行こうと思ったんだけどね? 会議の前につかまっちゃって。ほら、泣いてる女の子を放っておけないじゃん?」
「知りません」と言いながらくいっと黒縁メガネのヒンジをあげた。
「今日は文化祭の打ち合わせだから、絶対に出席するように」
「うんうん、きりっとした先輩もかわいいなぁ」
彼の言葉は無視して、私は歩き始めた。足が速くなるのは、頬が赤くなってる自覚があるから。
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