初クエスト

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「ま、小西先輩のことはどーでもいいや。さ、始めるよ?」  なっ、何を!? 「とっ、年上だからってからかってる!?」 「年下だからって、本気にしないのは差別だよ、先輩」 「で、でもっ、だって」  秋月君はカッコいいのに、私は全然可愛くないのに。 「あー、もう。パニックになってる先輩も、可愛いけどね」 「かかかか、可愛くなんてっ」 「先輩は可愛いよ。ほら、眼鏡の奥の瞳が潤んじゃってる。ホント、可愛い」 「──っ」  近すぎる顔に、もうどうすればいいのかっ! 「リンコはね、素直に『はい』って言えばいいの」  その『素直』が私には難しい、のだけど……。
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