monologue2

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じっと見つめられ、なんとなく名前を呼ぶことを促されてるような気がした。 ……何故か、告白でもするかのように緊張して、照れてるのかやっぱり顔が熱い気がする。 「……郁也さん」 名前を呼ぶ瞬間、恥ずかしさでほんの僅かに目を逸らしてしまった。 恐る恐る顔色を伺うように上目遣いに見れば、優しく笑っている郁也さんがいてやっぱり目を逸らしてしまった。 ……おかしい。 名前を呼んだだけなのに、特別なものなんて何もないのに緊張してしまう。 郁也さんの顔が直視できない。 「君は本当に可愛い。君といる時間が長いほど、離れ難くなる」 「……!」 「名残惜しいが、今日はここまでで我慢しよう。明日必ず十時に君に会いに行く。待っていてくれ」 慣れない言葉の数々に俺はどう答えたらいいのか分からずに狼狽える。 咄嗟にコクリと頷けば、郁也さんの手が離れる。 ゆっくりと離れた温度にドキリとなって慌てる。 「じゃ、じゃあ明日!待ってます!」 「家まで本当に送らなくても大丈夫か?」 「大丈夫です!ここから家まで離れてないですし、自転車だからすぐに着きますから!」 一度は断った申し出を再度持ち掛けられて焦る。 これ以上郁也さんと一緒にいたらなんだか変な気分になる。たまらなく恥ずかしいのだ。 赤くなった顔と動揺に泳ぐ視線を見られたくなくて、さっと頭を下げて背を向け自転車を押して走る。 背中に郁也さんの視線を感じて、途中転んでしまわないか少し心配だった。 角を曲がり、ようやく背中にあった視線が消えたことで足を止めた。 「……間違えたかもしれない」 安堵のため息を吐きながら、小さく零した。
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