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ふゆ子さんがハンドルをとられてフラフラしているところへ、地面から突然ぬっと何かが顔を出しました。
「わあっ!!」
「危ない!!」
れおながさけんで、かごからバサバサッと飛び立ちます。ふゆ子さんは、その何かをよけようとして、転んでしまいました。
「い……いったぁ~」
芝生のおかげですりむいたりはしませんでしたが、左肩を打ってしまいました。
宙に逃げたれおながバサバサと音を立てて、倒れた自転車の上に降りてきます。
「自分だけ逃げるなんて、ずるい!!」
ふゆ子さんは怒って、肩をさすりながら起き上がりました。れおなは怒るふゆ子さんを全然気にする様子もなく、
「なんだろう、あれ?」
と、くちばしを持ち上げました。自転車のすぐそばに、小さな茶色いものが落ちています。
そっと近づいてみると、モグラがひっくりかえっていました。ふゆ子さんがおどろいて見ていると、足元の土がモコモコと動いて、
「モグオ、大丈夫か!?」
とさけびながら、サングラスをかけたモグラが出てきました。
まわりを見わたしてみると、モグラが持ち上げた土が、そこかしこにもり上がっているではありませんか。さっき急に地面がでこぼこになったのは、モグラの穴のせいでした。
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