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「土の味に、アリが入っています。アリクイさんに特に人気なんですよ。味見してみますか?」
「うっ……いえ、いいです」
ふゆ子さんはちょっと気持ち悪くなってきました。
「じゃあ、こちらはどうですか? 新しいフレーバーなんですよ」
ウサギはにっこりして、小さなスプーンに緑色のアイスクリームをすくって差し出しました。
「ササの葉味に、刻んだどんぐりを混ぜ合わせました」
「へえー、どんぐり……」
「あっ、やめとけって!」
れおながあわてて止めようとしましたが、ふゆ子さんはもう口に入れてしまっていました。
「うっ、にがい! しぶい!」
ふゆ子さんは、べーっと舌を出しました。
「言わんこっちゃない」
れおなは呆れています。
「べろがびりびりするー」
涙が出そうになりました。それに、なんだか鼻もむずむずします。
「うー」
目と鼻をこすっていると、れおながおどろいた声を上げました。
「おっ、おい、ふゆ子、顔!」
「ん?」
顔と言われて、ふゆ子さんはほっぺたをさわってみました。いつもと何かちがいます。なんだかふさふさするのです。
「ひ、ひげ? ひげが生えてる? やだあー」
「いや、ひげっていうか……あっ! うしろも!」
「えっ?」
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