ふゆ子さん、タヌキの薬につかる

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「いい! 自分でやる!」 と言うと、スー、ハー、と深呼吸しました。そして、 「えいっ!」 と、思いきって金魚鉢に頭をつっこみました。 ――――――  気が付くと交差点で、自転車にまたがっていました。信号をわたったところには、チーズケーキのおいしいケーキ屋さんが見えます。色とりどりの花がきれいです。  ブロロロロ、と音がして、斜め前にとまっていたトラックが進みました。信号が青になったのです。トラックの荷台のシートが少しめくれていて、パタパタとはためいていました。  ふゆ子さんはハッとして、ほっぺたに手をやりました。ぺたぺたとした手ざわりでした。毛は生えていないようです。ふゆ子さんはホッとすると、ケーキ屋さんを見ました。いや、病院だったかな……。  ふゆ子さんは横断歩道をわたり、その建物に入りました。  中に入ると、ふわんと甘い香りがしました。ショーケースには、ショートケーキ、モンブラン、チョコレートムースといった、おいしそうなケーキが並んでいます。  ふゆ子さんは、大好きなチーズケーキを自分の分と店長の分ふたつ買って、お店を出ました。     
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