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ふゆ子さん、キツネのお医者さんに薬をもらう
ふゆ子さんは本屋で働いています。ふゆ子さんの仕事は、朝掃除をして店を開けること。レジで商品の受けわたしをすること。それから、雑誌の配達です。
「いってきまーす」
店長にあいさつをして、自転車に乗って出かけます。今日は2件。お向かいの花屋と、国道をずっと北にのぼったブティックです。多いときはお昼すぎまでかかってしまうのですが、今日はあっという間に終わってしまいました。
「ぽかぽかしたいい天気だし、すぐにお店に戻るのはもったいないなあ」
そう思いながら信号が青になるのを待っていると、斜め前に止まっていたトラックの荷台のシートが、ぺらりとめくれました。そしてひょこっと、ブタが1匹、顔をのぞかせました。
ふゆ子さんがおどろいて目を丸くしていると、ブタは荷台からぴょんと飛び降り、それに続いて、シカが2頭、ネズミが10匹、タヌキが3匹、テンとイタチが1匹ずつ、ぞろぞろと荷台から降りてきました。そして最後に、大きな白い鳥が1羽、ばさばさと飛び立ちました。インコなのかオウムなのか、ふゆ子さんには区別がつきませんでした。
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