ふゆ子さん、ウサギのアイスクリームを食べる

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ふゆ子さん、ウサギのアイスクリームを食べる

 少し走ると、ふゆ子さんのよく知っている、うさぎのマークが見えてきました。 「着いたよ!」  ふゆ子さんが駐輪場に自転車をとめている間に、れおなは窓から先に中に入って行きました。 「窓から入ったら先生に怒られちゃうよ!」  あわててドアを開けると、ふゆ子さんはまたまたびっくりしてしまいました。 「ええっ!!」  そこはお医者さんの待合室ではありませんでした。いつもお医者の受付があるところには、ガラスのショーケースが置いてありました。中は四角く仕切られていて、いろいろな味のアイスクリームが入っています。 「いらっしゃいませ」  お店のぼうしをかぶったウサギのお姉さんが、にっこりと笑いました。 「ふゆ子、ここアイスクリーム屋だけど」  れおなは明らかにイライラしています。 「なんで、なんでぇ?」  ふゆ子さんはオロオロしています。 「どれになさいますか?」  ウサギに聞かれて、ふゆ子さんは思わずショーケースの中をのぞきこみました。まつぼっくり、わら、青バナナ……変わった味ばかりです。  アリ、なんていうものもあります。見た目はチョコレートアイスクリームみたいです。 「この、アリってなんですか?」     
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