ふゆ子さん、タヌキの薬につかる

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ふゆ子さん、タヌキの薬につかる

 「あんた人間なの!?」  診察室を出ると、タヌキは ほーっと感心した様子で、ふゆ子さんをじろじろと見まわしました。 「おれ、こんな格好した人間なんて初めて見た」 「だから、ウサギのアイスクリームを食べたら、こんなになっちゃったの!いつもこうじゃないの!」 「ああ、ウサギの……」  タヌキは納得したようにうなずくと、 「じゃあ、おれのばあちゃんが治してくれるかも。ついてきて、すぐそこだから」 と言って、すたすたと歩き出しました。  見た目は床屋さん、でも中は広すぎる公民館を出ると、右に曲がって、その先のコンビニの角をまた右に曲がりました。そして、白いカベのアパートのグレーの階段を、カンカンと音を立ててのぼっていきます。 「ん? ここって……あっ!!」  そのアパートに、ふゆ子さんは見覚えがありました。 「ねえ、どの部屋に行くの? もしかして……」  203号室は、ふゆ子さんのボーイフレンドのハルくんの部屋です。その203号室にタヌキは、 「ばあちゃーん、いるー?」     
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