第一章

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第一章

 それは始まりからして奇妙な事件だった。  最初の通報は、深夜に街で怪獣が暴れていると言うものだった。ところがイーグルチームが現場に到着したものの、そこは休日には誰も居ない倉庫街で、建物の被害も一部の外壁が壊れるなど、大したものではなかった。  何より、どこにも怪獣らしき姿が無い。  という訳で早々にイーグルチームは帰投し、代わりに俺達タカギ班が現場検証に駆り出されたと、こう言う訳だ。  建物に被害が出ている以上、ニセ通報と言う事ではなさそうだ。その予測は、周辺の監視カメラ画像が出てきたことで裏付けられた。「あら、カワイイじゃない。」思わず平野隊員が呟いたのも無理はない。怪獣は建物と同じくらいの高さだから、せいぜい身長6メートルと言ったところか。四足歩行で、大きな目が…うん、正直に言おう。確かに愛らしいぞコイツは。     
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