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気が付いたら大所帯
「あァ? 」
「こいつと仲良いとかないわ!」
殺気立つ2人がモナを恫喝する。
「仲良いじゃないですか。」
ぼそり、と芍薬が。そして、ああ近親憎悪ですかね、と一人納得したように呟く。
それが聞こえていた九曜が、ああ…と残念なものを見るような視線をアーサーとアランに向けた。
「まあ、けっこういいキャラされてたんですね。」
とはマリーが芍薬にかけた言葉だ。近親憎悪という単語が、彼女なりにツボだったらしい。
「…そうでしょうか?」
芍薬は小首を傾げる。
「ん? お前カラクリ技師か。」
「案外ちっこいな。」
アーサーとアランが芍薬に絡む。よしなさい、とマーリンがアーサーを窘める。一方マリーはにこにこと様子を窺っていた。どこか腹黒さを感じさせる笑顔で。
結局、ケンカは有耶無耶になり4人も同行することになった。
「ずいぶん大所帯になりましたね…」
あんまり大人数で行動するのは得意じゃないんですがね、と芍薬がポツリと言った。
「まあ、性格に問題があっても実力は確かな面々じゃからな。行動を共にして損はあるまい。」
「不本意ではあるが、易の結果は未だに変わらんしな。」
九曜と牡丹が新たに仲間になった四人に生温い視線を送っていた。
「収拾つかなそう…」
リザが、溜め息を吐いた。
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