乙女の夢と助けを呼ぶ声

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「だって、他キャラのルートに入らないと、アルは別に好感度関係なくリナリアが好きだってわからないんだもん。うう、アルぅ……」 「はいはい」  延々とくっちゃべっている間に、学校が見えてきた。校門をくぐってもなお、私は延々と話を続けるのに、亜美は軽く首を振った。 「ほぉーんと、私は理奈がどうしてそんなにブラックサレナが好きなのかわかんないよ……ほら、ホワイトリリーやろうよ。「恋戦」面白いよ?」 「絶対ハッピーエンドのホワイトリリーは、私の性に合いません」 「あんだとごらぁ。現実が世知辛いのにどうして二次元でまで辛い目に合わにゃならんのじゃ」 「ゲームの中でくらいヒロイック貫いてもいいじゃない。現実で綺麗ごとばっか言って損するのは嫌ですぅー」  乙女ゲームユーザーでも、好きなレーベルが違えば戦争になる。他のアニメやマンガの趣味は合うのに、私と亜美だったら、乙女ゲームの好みが全然違うから、互いに好きな乙女ゲームの交換すらままならないのである。     
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