水の祭壇と象徴の力

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水の祭壇と象徴の力

 アスターとの問答をどうにか終えつつ、私は考え込む。  何度思い返してみても、フラグが立つような言動をした覚えはないけれど。アスターとの問答は、どう考えても個別ルート行きの内容だったような気がする。世間話にしては突っ込み過ぎなんだもの。  これ、放置していて大丈夫なのかな。んーんーんーんー……。乙女ゲームならいざ知らず、私個人の恋愛スキルなんて微々たるものだ。そもそも現実に乙女ゲームの攻略対象みたいなイケメンもいなければ、ブラックサレナみたいに込み入った案件なんてあるわけもなく、乙女ゲームの調子で行っていいのか自信がない。  乙女ゲームだったら、放置して爆発させてしまえば、もう好感度だって上がらないんだけれど、それを現実でしてしまったら人間関係に支障が生じるし、戦闘士気だって下がるよなあとついつい思ってしまう。  はあ……ゲーム脳の私に、乙女脳を求めないでほしい、本当に。  考え込んでいる間に、水面が見えてきた。陸地ではちょうど心配そうにクレマチスとスターチスが水底のほうを見下ろし、アルとカルミアはいつもの調子で待っているところだった。     
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