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8月31日 8:00
『モーニングコールだよん。おはよー』
幼馴染の愛依(めい)の電話で起こされた。
「毎日毎日、飽きないな、お前も」
『毎日? 8月一回も会ってないじゃない。宿題の答え合わせしようよ』
何回も聞いたセリフ。次にくる言葉もわかる。
「おひさまカフェに九時」
『おひさまカフェに九時』
愛依のタイミングとほぼ同じに言うと、彼女は驚いたのか一瞬言葉を詰まらせた。
けど、俺はそのままおなかを掻きながら起き上がる。
「お前、カバンの中をよく確認しろよ。読書感想文だけ忘れちまうから」
『え……どうして』
「さあ」
中二病のような返事をしてしまう。でも仕方ない。本当に未来が見えてしまうんだから。
そのまま電話を切ると、俺は片手で片目を覆い、ジョジョ立ちしながら鏡の前で、自分の顔を見た。
携帯の充電コードの痕が頬に残っているのも、相変わらず32回目だ。
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