どうも、天地ルミ子です

2/4
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
若葉の5月だ。 重度の花粉症はなりを潜め、税金の支払いで財布は軽くなるが、 空の青さに心はもっと軽くなる。 こんな日はとりあえず洗濯だ。 干したシーツの白さが眩しい。 ふと、夕べ見たドラマのヒロインの結婚シーンを思い出す。 「永遠の愛を誓います。」確かそう言った。 永遠の愛って、何だっけ? 私も言ったことあったっけ? そもそも永遠も、愛も、この上なく頼りないではないか。 それなのに、誓いを立てていいのか。 ぼんやりと反論してみる。 ・・・が、正夫のパンツを干しながら我に返り、 何だっけ?の答えを探すのをやめた。 「ルミ子さぁ~ん、回覧板!」 ベランダの下から声がする。 西城ひろみだ。 「あ、おはよう。今行く。待ってて。」 バタバタと階段を降りて玄関口に出た。 「今回はさぁ、運動会のプログラムあるからね。 各家庭1枚ずつ取って下さい、って、注意書きつけてるから。」 「ん、ああ、そっか。2週間後の日曜ね。ん、了解。」 彼女は今年町内の広報担当だ。 回覧物や連絡事項は 広報担当者が各班長に振り分ける決まりになってる。 たまたま我家も班長のおはちが回ってきたので 朝からこんなやり取りをする事が多い。     
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!