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西城秀樹でも郷ひろみでもない西城ひろみなのだが、
世代の違う彼女には、名前のゾワゾワ感が全く伝わらない。
「ふぅ~ん。」のひとことで完全スルーされてから、
このテの話は振っていない。
恐るべし、ジェネレーションギャップ!
けれど、それでも何となくウマが合う。
一回りも年下の彼女からタメ口で話されても、
特段不快な気分にならないのは、
彼女がバツイチのシングルマザーで跡取り娘、という
私とはまるで無縁の立ち位置に居るせいかもしれない。
だって、三重苦でしょ、まさに。
私だったら、こんな朝から回覧板持って
平然としていられるだろうか。
もう、経験値の先輩、と崇める気持ちがどこかにあるのだろう。
「ねぇねぇ、ここ見てよ。」
ひろみが運動会のプログラムを開いて指差した。
そこには自分の町内の出場メンバーが種目別に載っている。
「ん?・・町内対抗リレー・・え?・・レオ?」
町内対抗リレーはプログラムの最後を飾る花形競技だ。
俊足自慢が競うとあって、これだけを見物に行く人もいるほどだ。
そのリレーのアンカーに載ってるのはまさに「レオ」の2文字。
「ねっ。・・どう思う~?」
ヤバイ。顔を覗きこまれてる。
ひろみの、この探るような一言がでるって事は
かなり興味を持っている、という事だ。
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